ロジカルシンキングのやり方を具体的に教えてくれる
こんにちは、ダイキです。
今回は『40歳でGAFAの部長に転職した僕が20代で学んだ思考法(寺澤伸洋)』を紹介する。
ビジネスを解決に導く”考え方”を教えてくれる良書だ。
著者と元上司「Nさん」との対話形式で進んでいき、2時間ほどで読むことができる。
では、いこう!
いきなり細部を見ないこと!まずは全体像をおさえる
「美味しいカレーの作り方は?」
Nさん:「仮に仕事で、『カレーを作って』と指示されたときに、材料のことばっかり考えてしまう人って多いよね。しかも、そのカレーも、「自分」が美味しいと思うカレーを作ろうとしてしまう。
もっとまわりを見て、サービスを提供する相手を見て、カレーだけじゃなく準備から提供の仕方までの『全体像』を見ないと、相手を満足させることはできないんだよ。
『40歳でGAFAの部長に転職した僕が20代で学んだ思考法(寺澤伸洋)』
まさに”木を見て森を見ず”だ。僕も陥りがちとなる。
例えば上司に「この資料作っといて」と言われた時、上司の意図や納期のイメージ、どんな資料が求められているかを考えず、いきなりWordを開いて自分が思う(自分が満足する)資料を作り始めてしまう。
それだと、相手が満足する資料になる可能性が低くなる。
まずは全体像を捉えること。
- [目的]そもそも何が求められているのか?
- [目標]いつまでに納品するのか?売上目標はいくらか?
- [ターゲット]納品先はどこか?お客様はだれか?
他にもあるが、まずは全体像(森)を考えた後、詳細(木)へと深堀りする流れが大切だ。
「考える」とは「要素分解」すること
”分かる ≒ 分ける”
今となってはおかしな話ですが、このときは本当に「考える」ということがわからなくなってしまっていました。
…
Nさん:「考えるには、『要素分解』すればいんだよ。たとえば、『美味しいカレーを作る』ってミッションに対して、切り口はいっぱいあったよね」
僕:「対象、準備、材料、提供の仕方ってやつですね。人数、性別、年齢、材料、お皿、雰囲気みたいな」
Nさん:「そう、それだよ。美味しいカレーを作るために『考える』ということは、高い視点から全体像を見て、それに関係する項目に『分解』していくことなんだよ。」
『40歳でGAFAの部長に転職した僕が20代で学んだ思考法(寺澤伸洋)』
全体像を捉えたら、次は材料を切るように要素を分解していく。
この時、1つの項目を深堀りする前に、同じ粒の大きさの並列項目を全部洗い出すのが先になる。
著者の表現を借りると『「縦」より先に「横」に広げて考えよう』だ。
やり方を今から伝える。
抜け漏れをなくす「要素分解」のやり方
4つのことを意識する→「水平思考」「垂直思考」「思考の高さを変える」「時系列を変える」
1.水平思考
Nさん:「まずは水平思考。これは『思考を横に広げていくこと』だね。
『速く走るためには?』を考えるときに、『速く泳ぐためには?』とか、『速く歩くためには?』とか、『高く跳ぶためには?』など、他の競技を頭に浮かべながら考えていく感じ。」
2.垂直思考
Nさん:「次に垂直思考。これは『思考を深堀りしていくこと』だね。
思考を深堀りするには、『MECEに分ける』、『5W1Hを考える』という2つの考え方が重要。」
3.思考の高さを変える
Nさん:「次に、この水平思考と垂直思考を、思考の高さを変えて再度考えてみるんだよ。いろんな視座で、再度見てみる感じかな。例えば、『速く走るためには?』も、ここまでは自分視点でしか考えていなかったけど、コーチの視点から考えてみるとどうなる?」
4.時系列で考える
Nさん:「最後に時系列を考える。これは今までの①~③のプロセスを現在だけでなく、過去・未来の視点でも考えてみるという感じだね。たとえば、できたての温かいスパゲティの時系列を進めてみると、冷めちゃうって想像できるでしょ?そしたら、『時間が経っても冷めないスパゲティ』ってどうだろう?あとは、スパゲティを食べている人の時間を少し過去に巻き戻すと、『スパゲティができあがるまで待っている時間』をどう楽しむかという思考にもなれるよね。」
『40歳でGAFAの部長に転職した僕が20代で学んだ思考法(寺澤伸洋)』
この章は特に参考になった。
”考えるフレーム”がシンプルにまとまっているからだ。
具体例もあって分かりやすい。
要するに、
- 「1.水平思考」で同じ粒度の要素を横に広げ、
- 「2.垂直思考」で広げた各要素を深堀りし、
- 「3.思考の高さを変える」で自分以外の視点で再度、物事を捉え、
- 「4.時系列で考える」で過去・現在・未来の視点で思考を深める
ということだ。
この①~④を何度も繰り返すことで抜け漏れがなくなり、どんどん思考が深まるとの事。
僕は”notion”にこの思考法をメモしていて、考え事をするときはいつも見返している。
”抜け漏れなく”考えるには最適な方法論だ。
ブログではポイントしか紹介していないが、本書ではなぜこの思考法が有効なのか?や、やり方の具体例がより詳しく書かれている。
本当に一読をおすすめする。
「悩む」と「考える」は似て非なるもの
悩むのは時間の無駄。考えるのは物事を前に進めるこ
Nさん:「どうしたの?深刻そうな顔して」
僕:「いやー、来週、全国の営業責任者に今やってるプロジェクトの説明をするんですけど、『ちゃんと伝わるかな』とか、『反論されないかな』って考えると心配で」
Nさん:「なるほど。寺澤くんの今の状態は考えてるんじゃなくて、悩んでるだけだよ。…悩まずに考えるんだよ。考えると、物事を前に進められるからね。たとえば今の件なら、『どこが反論されそうな部分』か、自覚してるよね?だったら、『反論されたらどうしよう』って心配するんじゃなくて、『どんな反論が来るか』を事前に考えて洗い出しておして、それぞれの反論にどう返答すべきか、どうすれば納得してもらえるかをしっかり準備しておいたほうがよほど有益だよね」
『40歳でGAFAの部長に転職した僕が20代で学んだ思考法(寺澤伸洋)』
僕も気づかずハマることが多いが、”悩む”と”考える”は違う。
どちらも”思いを巡らせる”という点では同じだが。
- 悩む:思考が堂々巡りして不安だけが募る。対策を考えない状態
- 考える:前に進むための具体的な対策を考えている状態
という違いがあると思う。
頭を使っている時、それは”考えているのか”、”悩んでいるのか”、自身を客観的に捉え、見直すことも必要だ。
仕事の流れ(ワークフロー)を書くときのコツ
左から右に流れる図を書く
Nさん:「会議で、ホワイトボードにワークフローを描くことがあるじゃない。そのときに、絵の間に矢印が行ったり来たりするグチャッとしたフロー図を描く人がいるよね。あれは分かりにくいからダメ。…フローを描くときは、こんな感じで縦に登場人物、横に時系列を置くというのが基本だよ。そして時間は左から右に流れ、矢印が時系列を戻ってはいけない。」
『40歳でGAFAの部長に転職した僕が20代で学んだ思考法(寺澤伸洋)』
これも具体的で実践的なアドバイスだ。
僕はnotionにメモしている。
「誰が、いつ、何をするのか」がはっきり分かる図を作成することが大切。
その際、登場人物をすべて洗い出しておくことがコツとなる。
人に仕事をお願いするときのコツ
依頼する背景をすべて話す
Nさん:「人に仕事を頼むときは、全体感を持ってもらうためにこれくらい詳細なところまで説明しないとね。
全体感を持っている人からじゃないと、僕が思うアウトプットは出てこないからね。
頼んだのはいいけど、最初の1時間を節約した結果、ほしいアウトプットが出てこなかったら、余計時間がかかるから、意味ないじゃん」
『40歳でGAFAの部長に転職した僕が20代で学んだ思考法(寺澤伸洋)』
これはすごく大事な考え方だ。
人は理由を知りたがる生き物だからだ。
ただでさえ忙しいのに、理由も分からず仕事を頼まれると「なんでやらなあかんねん」「めんどくさい、自分でやれよ」となり、人間関係がこじれるきっかけにもなる。
説明するのは面倒だが、ここを端折ってはいけない。
僕自身、肝に銘じるところだ。
まとめ…総合評価は「☆4.0」
「ビジネス・思考法」系の本で、久々に良書に出会えた。
シンプルで分かりやすく、今すぐ実践できる内容だからだ。
本当にビジネススキルが上がると思う。
まだまだ紹介したい箇所が山盛りだが、詳細はぜひ本書を読んでほしい。
あなたの悩みを解決に導くフレーズに出会えるだろう。
ではまた。
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